再生複合材の適切な市場形成
環境をキーワードに急速に広まっていった再生複合材ですが、製品素材の客観的評価や品質の安定性が求められるようになってきました。
再生複合材の適切な市場形成
環境をキーワードに急速に広まっていった再生複合材ですが、製品素材の客観的評価や品質の安定性が求められるようになってきました。
資源の有効利用(3R:リユース・リデュース・リサイクル)の観点から
再生複合材が市場に出回るようになりました。しかし、この再生複合材はJIS規格が制定されていなかったため、
原料・製品素材・品質性能等が製造企業の自主性に委ねられ、結果的に市場での信頼性が十分に得られませんでした。
2004年 | (社)日本建材・住宅設備産業協会に、木材・プラスチック再生複合材JIS原案委員会発足。 | |
2005年 | 10月1日 | 新しいJISマーク制度スタート。 |
2006年 | 4月20日 | 「JIS A 5741 : 2006 木材・プラスチック再生複合材」として公示。 |
2006年 | 8月 | 当該JIS原案作成を担当したメーカーを中心に(社)日本建材・住宅整備協会に「木材・プラスチック再生複合材普及部会」が組織される。 |
2012年 | 3月21日 | 2012年度版へ改正 |
2016年 | 3月22日 | 2016年度版へ改正 |
「JIS A 5741:2016 木材・プラスチック再生複合材」で定められたエコMウッドの区分および性能
含有率区分 | 表示記号 |
---|---|
40%以上 | R40 |
50%以上 | R50 |
60%以上 | R60 |
70%以上 | R70 |
80%以上 | R80 |
90%以上 | R90 |
区分 | 記号 | 説明 |
---|---|---|
非発泡素材 | S | 再生複合材の内部に気泡を含まないもの。 |
発泡素材 | F | 再生複合材の内部に、軽量化などを目的として気泡を分散させたもの。非発泡層と合わせて多層成形によって一体化したものなども含む。 |
用途分野 | 記号 | 主な用途 | 記号 | 説明 |
---|---|---|---|---|
エクステリア | EX |
デッキ材、歩道用床版材、ベンチ材 ルーバー材、フェンス材、門扉材、バルコニー材、テラス材、パーゴラ材 型枠 |
1 | 屋外で、人の歩行など、比較的大きな外力を受けることを考慮したところに用いるもの。 |
造作材、化粧材 |
2 | 屋外で、人の歩行などによる外力を受けないことを前提としたところに用いるもの。 | ||
インテリア | IN |
フリーリング材 |
1 | 屋内で、人の歩行など、比較的大きな外力を受けることを考慮したところに用いるもの。 |
造作材、化粧材 |
2 | 屋内で、人の歩行などによる外力を受けないことを前提としたところに用いるもの。 |
性能区分 | 性能項目 | 単位 | 用途分野記号(非発泡素材) | 用途分野記号(発泡素材) | |||||||||
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EX | IN | EX | IN | ||||||||||
1 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | ||||||
基本物性 | 密度 | g/cm3 | 0.8〜1.5 | 0.7〜1.5 | |||||||||
吸水特性 | 吸水率 | % | 10以下 | 10以下 | |||||||||
長さ変化率 | % | 3以下 | 3以下 | ||||||||||
強度 | 曲げ強さ | A法 | 切り出し試験片による曲げ強さ | MPa | 20以上 | 15以上 | 10以上 | ー | |||||
B法 | 実験大試験体による曲げ強さ | 15以上 | 10以下 |
15以上 | 10以上 | ||||||||
衝撃強さ | A法 | 切り出し試験片による衝撃強さ | kJ/㎡ | 0.5以上 | ー | ||||||||
B法 | 実験大試験体による衝撃強さ(落すい法) | ー | 表面に亀裂及び割れがない | 表面に亀裂及び割れがない | |||||||||
熱特性 | A法 | 荷重たわみ温度 | ℃ | 70以上 | 40以上 | 70以上 | 40以上 | ||||||
B法 | ビカット軟化温度 | 75以上 | 45以上 | 75以上 | 45以上 | ||||||||
C法 | 熱による曲げ強さ残存率 | % | 60以上 | 60以上 | |||||||||
耐候性 | A法 | 引張強さ変化率 | % | -30以内 | ー | -30以内 | ー | ||||||
引張伸び変化率 | 50以内 | 50以内 | |||||||||||
B法 | 曲げ強さ変化率 | -30以内 | -30以内 | ||||||||||
C法 | 曲げ強さ変化率 | -30以内 | -30以内 | ||||||||||
安全性 | 揮発性物質放散量 (ホルムアルデヒド) |
A法 | デシケーター法 | mg/L | ー | 平均値で0.3以下 かつ最大値で0.4以下 |
ー | 平均値で0.3以下 かつ最大値で0.4以下 |
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B法 | 小形チャンバー法 | ug/(㎡・h) | 5以下 | 5以下 | |||||||||
有害物質溶出量 | カドミウム | mg/L | 0.01以下 | 0.01以下 | |||||||||
鉛 | 0.01以下 | 0.01以下 | |||||||||||
水銀 | 0.0005以下 | 0.0005以下 | |||||||||||
セレン | 0.01以下 | 0.01以下 | |||||||||||
ひ素 | 0.01以下 | 0.01以下 | |||||||||||
六価クロム | 0.05以下 | 0.05以下 |